ホクロについて

正式には色素性母斑といわれます。一般的には大小さまざまで平坦なものから盛り上がったもの、ホクロの細胞が表皮と真皮の境目もしくは真皮の中に存在して、メラニン色素を作り出すために、灰白色ないし黒色に見えます。また太い毛が生えたり、表面がでこぼこすることもあります。そして生まれつきからあるもの(先天性)から生まれたあとから出現するもの(後天性)もあります。また生まれつき皮膚のかなりの部分に色素性母斑がひろがっている場合には、巨大色素性母斑と呼ばれ、悪性化する可能性があるともいわれているため、適切な観察や治療が必要です。また、一般に足の裏や手のひらのホクロも悪性化しやすいと言われますが、それほど頻度は高くありません。ただ、ホクロがいつのまにかできて次第に大きくなる、色の濃淡がある、形状が左右対称でない、境界が不明瞭、傷ができて治らない(図1)などあれば悪性化の可能性があるため早めに受診してください。

診断

一般的にホクロの中でも比較的大きい病変や掌蹠に生じた病変は悪性化のリスクがあり、悪性疾患(特に悪性黒色腫)との鑑別を行う必要があります。肉眼での観察に加えてダーモスコピーを行うことで病理検査の必要性をより正確に判断することができます。
ホクロには先天性のものと後天性のものがあります。後天性のホクロは4つのタイプにわけられます。
Miescher母斑
顔や頭など首から上に発生し、7mm前後の半球型にふくらんだ後天性のホクロを「Miescher(ミーシャー)母斑」といいます。毛が生えている場合も多く見られます。若いころはほとんどが青黒色調ですが、年齢がたつにつれて淡褐色、常色へと変化していきます。
Unna母斑
体によくでき、柔らかくふくらんだ後天性のホクロを「Unna(ウンナ)母斑」と呼びます。表面は凸凹しており、半球型か楕円型、さらに大きさも10mm前後と大きなホクロです。しかしMiescher母斑に比べれば浅い部分に位置するため、レーザー治療はより容易です。
Clark母斑
手のひらや足のうらを含めた、全身に現れる薄く平らなホクロを「Clark(クラーク)母斑」と分類します。直径は5mm〜12mm程度とさまざまです。色素は黒褐色、形は楕円形を有しています。
Spits母斑
子供に発生することが多く、ほとんどが幼児期にできるものです。全身のどこにでもできて急速に大きくなり、赤色を含む場合もあります。基本的には良性ですが悪性黒色種(メラノーマ)との鑑別が難しいため受診をおすすめします。

治療

保険治療

腫瘍が大きい場合(目安として顔で10㎜以上、身体で7㎜以上)、腫瘍が深くまである病変、また悪性(皮膚がん)の可能性がある場合は、レーザー治療ではなくメスによる切除を行います。病理診断の結果、悪性の場合は拡大切除など必要になります。その際は専門医療機関へご紹介させていただくことがあります。

※手術は後日予約での処置となります。(預かり金が必要です)
※部位、大きさにより金額は変わります。
※手術代金以外にも初診料(もしくは再診料)、検査料、処方料、薬剤料、病理組織料等がかかります。

治療の流れ

  • 診察
  • 施術内容の説明、同意書記入、記録写真撮影、サイズ計測
    当日施術の場合、③の施術に進みます。予約の場合は後日施術(預かり金が必要です)
  • 施術
    局所麻酔 → 切除手術 → ガーゼ保護 → 術後の説明

術後のアフターケア

  • 基本的には手術翌日受診
  • 縫合した場合1週間後抜糸となります(縫合方法により抜糸がない場合もあります)
  • 当日洗顔・シャワー可、アルコール禁止
  • 翌日入浴可
  • 患部には軟膏もしくは傷を保護するテープを貼っていただきます。
  • 合併症・副作用
  • 感染、血腫、出血、内出血、瘢痕、肥厚性瘢痕(ケロイド)

料金表(保険治療)

組織採取切採法採取料1,500円
+病理検査代2,970円
4,470円
露出部以外
直径3㎝未満
手術代3,840円
+病理検査代2,970円
6,810円
露出部以外
直径3㎝以上6㎝未満
手術代9,690円
+病理検査代2,970円
12,660円
露出部
直径2㎝未満
手術代4,980円
+病理検査代2,970円
7,950円
露出部
直径2㎝以上4㎝未満
手術代11,010円
+病理検査代2,970円
13,980円

自費治療 美容目的の場合は自費治療となります

※大きさにより金額が変わります。
※レーザー代以外にも初診料(もしくは再診料)、処方料(あれば)、薬剤料、テープ代(1枚¥900)等がかかります

治療の流れ

  • (必要時)洗顔→写真撮影(顔)
  • 診察
  • 施術内容の説明、同意書の記入
    希望部位の確認(体の場合デジカメ写真撮影)、サイズの計測
  • 施術
    エルビウムレーザー炭酸ガスレーザーを使用して黒子の細胞を取り除きます。
    施術中痛みがあります。基本的には局所麻酔(キシロカイン)は使用しませんが、部位と大きさによっては必要時局所麻酔を使用します。
    ただし以前に局所麻酔を使用し、気分不快などの経験のある方や妊娠・授乳中の方は応相談になります。
  • 処置後の説明
    ドレッシング剤の保護テープ(デュオアクティブ)を貼ります。
    ※自宅での張り替え用に購入していただく必要があります。1枚¥900
  • 次回受診は2週間後になります
  • 経過の写真を撮るのでご自宅でテープを剥がしてノーメイクで来院して下さい。
  • テープの上からお化粧・洗顔が可能です。
  • 保護は数か月~半年ほど必要な場合もあります。
  • 再発した場合
  • 当院では処置後6か月は経過観察のため再度施術希望の場合は半年後になります。
  • その場合同様に料金が発生します。
  • 合併症・副作用
  • 感染、内出血、色素沈着、傷の赤み、肥厚性瘢痕(ケロイド)、テープかぶれ
  • テープ(デュオアクティブ)の貼り替え時期と方法
  • 処置後傷から浸出液が出るためテープが徐々に白く盛り上がってきます。
  • 貼っているテープの9割程度白くなったら交換の目安です。
  • それまでは剥がさず貼った上から洗顔、スキンケア、お化粧をしてください。
  • 1週間継続して貼っていても9割白くならなくなった場合は交換してください。
  • 交換する際はテープを剥がした後、石鹸で優しく洗って頂き、新しいテープを貼って下さい。
  • 数日すると白く盛り上がらなくなりますが、テープは継続して貼っていただき、赤みがなくなるまで傷の保護をして下さい。

料金表(自費治療)

初診料3,300円
再診料1,100円
3㎜以下3,300円
※土曜のみ5,500円
3㎜以上について大きさ○㎜×1,100円で計算

※再発した場合
当院では処置後6ヶ月は経過観察のため再度施術希望の場合は半年後になります。
その場合再発したほくろの大きさ◯mm×1,100円の料金が発生します。

症例

症例1

施術日
2週間後

治療回数1回
治療にかかった費用:1ヵ所¥3,300+テープ代¥900

症例2

施術日
2週間後
半年後

治療回数1回
治療にかかった費用:1か所¥5,500+テープ代¥900

症例3

施術日
2週間後
半年後

治療回数1回
治療にかかった費用:1か所¥4,400+テープ代¥900

Q & A

  • 初診日に施術可能ですか?
  • 初診日に可能です。ネットから順番を取ってから来院して下さい。美容の方は受付時間終了30分前までにお越しください
  • 予約は可能ですか?
  • 申し訳ございません。診察の順番は取れますが、処置の予約はお取りする事はできません。
  • 合計で何回の通院が必要ですか?
  • 施術日と2週間後の経過の来院が必要です。テープ購入のみなら診察なしで可能です。
  • 施術後洗顔・化粧は出来ますか?
  • テープの上から可能です。
  • テープはいつまで貼りますか?
  • 施術部位の赤みがなくなるまで貼って下さい。場合によっては数か月~半年程度必要な場合もあります
  • ホクロが悪いものかが心配です
  • まず診察時(肉眼観察+ダーモスコピー等)判断します。
    悪性の可能性が高い場合、もしくは患者様自身が心配な場合は切除手術もしくは一部組織を取って病理検査(保険適応)に出します。
    (*結果は2週間程度かかります)
    (*料金は患部の大きさによって変わります)
  • 最近大きくなってきたが大丈夫ですか?
  • 成長と共に大きくなることがあります。出生直後のサイズに対して成人時では体部で約3倍となる事もあります。
  • 痛みはありますか?麻酔はしますか?
  • 処置中~処置後しばらく痛みが続きます。
    患部の大きさによって必要時局所麻酔(キシロカイン)を使用します。
    小さな物に関しては麻酔を使用しない事もあります。

たかが「ホクロ」といってもその診断は専門医でも難しいことがあります。当院では治療の前にまずは悪性のホクロではないかの診断を、ダーマスコープという器械を用いてしっかりと評価したうえで診断を行います。そして悪性が疑われる場合は必ず組織検査をおすすめしています。
良性のホクロの場合には、ホクロの形状、大きさ、部位に応じて一番きれいに傷を治す方法を選択し説明し、ご納得されたうえで治療を行っていきます。
またホクロ治療では傷を目立ちにくくすることを優先しているため、レーザーでできる限り最小限でホクロを削っているのでたまに再発することがあります。もし再発した場合には当院では処置後6ヶ月は経過観察を行って再度施術を検討しています。また鼻のホクロは陥凹性瘢痕、鼻下のホクロは肥厚性瘢痕を生じやすいので術後の自己ケアも特に重要です。当院は数多く症例経験がありますので安心してご相談ください。