アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎とはかゆみを伴う湿疹がよくなったり悪くなったりを繰り返す病気のことです。
子どもの頃に発症することが多く、一般的には成長と共に症状は改善していきますが、成人でも1~3%の人が罹患しているとされています。明確な発症メカニズムは解明されていませんが、遺伝やアレルギーを起こしやすい体質などが発症に関与していると考えられており、喘息ぜんそくや花粉症などアレルギーによる病気を併発しやすいのも特徴です。

病因

アトピー性皮膚炎はアレルギー炎症、皮膚バリアの異常、かゆみの異常の3つの要素が互いに複雑に絡み合って起こる病気です。

治療

アトピー性皮膚炎を根本的に治す方法は残念ながらありません。そのため、アトピー性皮膚炎の治療は、皮膚のバリア機能を改善・維持するためのスキンケア、かゆみや湿疹症状を改善するための薬物療法、そして症状を悪化させる要因を排除することが治療の主体となります。スキンケアは皮膚を清潔にして乾燥を防ぐため、保湿剤などを用いて行います。一方、症状を改善させるためには皮膚の炎症やアレルギーを抑えるステロイド薬や免疫抑制剤の塗り薬やかゆみを抑える抗ヒスタミン薬などの塗り薬や飲み薬を使用します。そして、症状を悪化させる要因を排除するには吸水性の高い肌着を身につける、身の回りを整えてダニやホコリなどを極力減らすといった対処が必要です。

当院の方針としてはアトピー性皮膚炎ガイドラインにあるように“症状がないか、あっても軽微で日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に達しそれを維持すること”を目標としています。そしてこのような状態を維持することで最終的には自然緩解も期待できると考えています。

外用治療

ステロイド

アトピー性皮膚炎の炎症を充分に鎮静することができ、その有効性と安全性が科学的に立証されている薬剤です。近年さまざま製剤が開発されていますが現在も基本の重要な治療です。

  • カルシニューリン阻害外用薬(プロトピック®軟膏)
  • 塗り始めて数日間、多くの方が刺激感を訴えることがありますが症状が軽快すると共に刺激感も改善していきます。顔に好んで使用されますが、その他の部位にも使えます。ただし、本剤の薬効はステロイド外用薬のストロングクラスとほぼ同等ですので、あまり重症度の高い皮疹では十分な効果が得られませんがステロイド外用剤の副作用のである長期外用に伴う皮膚の菲薄化がないため継続しやすい薬剤です。
  • JAK阻害外用薬(コレクチム®軟膏)
  • プロトピックに比べ刺激感を訴える方は少ないです。顔に好んで使用されますが、その他の部位にも使えます。ただしプロトピック同様に本剤の薬効はステロイド外用薬のストロングクラスとほぼ同等ですのであまり重症度の高い皮疹では十分な効果が得られませんが、ステロイド外用剤の副作用のである長期外用に伴う皮膚の菲薄化がないため継続しやすい薬剤です。
  • ホスホジエステラーザ4(PDE4)阻害外用薬(モイゼルト®軟膏)
  • アトピー性皮膚炎の病態には、サイトカインやケモカインと呼ばれる物質が関与しています。 モイゼルト軟膏は、サイトカインやケモカインの産生を制御することで、皮膚の炎症やかゆみを抑え、アトピー性皮膚炎を改善します。この薬剤もステロイド外用剤の副作用のである長期外用に伴う皮膚の菲薄化がないため継続しやすい薬剤です。

光線療法(紫外線治療)

紫外線療法は、光源ランプを用いて発疹に直接紫外線をあて、皮疹の改善、炎症の軽減、掻痒感の軽減を目的とした治療方法です。当院ではエキシマランプ2台(エキシプレックス308)、ターゲット型ナローバンドUVB照射装置1台(TARNAB)を用いています。

  • ターゲット型ナローバンドUVB(TARNAB)
  • 国内で新しく独自に開発された、312nmの波長の平面光源をもつ光線治療器です。特にアトピー性皮膚炎のかゆみには効果的で赤みや色素沈着などの副作用が最も少ないことが特長です。
  • 症例写真
  • エキシマライト、MEL(エキシプレックス308)
  • TARNABに比べ高輝度で照射することが可能で治療効果も高いと考えられています。また照射時間は短くなり効率的に治療は可能ですが施術による紅斑、色素沈着のリスクは高くなります。

症例写真

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