粉瘤とは

皮下にできる良性腫瘍で皮膚の上皮が袋状の構造を形成しもので、半球状の隆起として触れることが多いです。袋の内側が上皮なので、本来は外に脱落するはずの角質(いわゆる垢)が粥状の内容物として袋内に蓄積し、少しずつ大きくなっていきます。体中のどこにでもできますが特に背中やうなじ、頬、耳たぶなどにできやすい傾向があります。発生の原因は判らない場合が多いのですが、ケガや毛嚢炎、ニキビが原因で生じることがあります。通常は痛み、かゆみなどの症状はありませんが袋が破裂したり、細菌感染を起こすと赤く腫れて、強い痛みを生じることがあります。

>日本皮膚科学会Q&Aの『粉瘤』

病気の特徴

  • 皮下にできる良性腫瘍で半球状な隆起として触れることが多いです。
  • 発生の原因は判らない場合が多いです。
  • 内容物は角質(いわゆる垢)で蓄積して少しずつ大きくなっていきます。
  • 袋が破裂したり、細菌に感染すると強い痛みを生じます。

生活上の注意

  • 触っていると細菌などに感染することがありますので、触らないようにしましょう。
  • 感染したり、大きくなる前に切除することをおすすめします。

粉瘤の治療

腫瘍摘出
【全切除術】
開口部を含めた紡錘形皮膚切開から皮膚と袋をひとまとめに摘出し皮膚縫合します。

【くりぬき法】
開口部をトレパンでくり抜き、内容物を排出したあとに袋を引き出すようにして摘出する方法もあります。傷跡がニキビ跡のように小さく目立ちにくくなるため、顔などではしばしば用いられます。

術前

術後翌日

術後1週間

軽度の炎症の場合
抗生剤や抗炎症剤の投与で鎮静化させてから摘出します。

感染して膿の貯留がある場
切開•排膿して開放治療(軟膏治療)を行い、感染が治癒したあとに期間を置いて腫瘍を摘出します。

合併症・副作用

  • 局所麻酔によるアレルギー反応が出ることがあります。
  • 細菌による炎症を起こす場合があります。
  • 手術後に出血を起こす場合があります。
  • 内出血を起こす場合があります。
  • 皮膚切開創は、傷跡が残る場合があります。
  • 肥厚性瘢痕(ケロイド)になる場合があります。
  • 術後テープかぶれをする場合があります。
  • 縫合不全を起こす場合があります。

料金表

切開排膿術直径10cm未満3割負担
手術代1,920円
直径10cm以上
20cm未満
3割負担
手術代3,330円
全切除術露出部以外
直径3cm未満
3割負担
手術代3,840円
露出部以外
直径3cm以上6cm未満
3割負担
手術代9,690円
露出部
直径2cm未満
3割負担
手術代4,980円
露出部
直径2cm以上4cm未満
3割負担
手術代11,010円

皮膚科で最も多い良性の腫瘍ですが当院では切除前に必ずエコーで確認して診断してからおこないますので安全に手術を受けていただけます。皮膚科専門医のいる病院でも経過観察をすすめられることもありますので、手術希望あれば一度ご相談ください。