帯状疱疹とは

神経節にひそんでいた水痘・帯状疱疹ウィルスが活性化して赤い発疹(紅斑)や痛みが生じる皮膚疾患です。神経の分布に一致してピリピリと刺すような痛み、感覚の異常やかゆみが続いた後、皮膚に紅斑が生じます。この時期に軽度の発熱やリンパ節腫脹、頭痛などの症状がみられることがあります。その後もまもなく、紅斑の上に小さな水疱が多発します。

>日本皮膚科学会Q&Aの『ヘルペスと帯状疱疹』

病気の特徴

  • 幼少期に水ぼうそうにかかった人に発症します。
  • 大部分は片側に発症します。
  • 皮膚症状が良くなったあとでも神経痛が残ることがあります。

生活上の注意

  • 疲労やストレスが原因となり、免疫力が低下したときに発症しますので、できるだけ安静にしましょう。
  • 十分な睡眠と栄養をとりましょう。
  • まだ水ぼうそうにかかっていない人に感染し、水ぼうそうを発症することがありますので注意しましょう。
  • 白目が充血するなど、眼に症状が現れた場合は必ず眼科を受診しましょう。
  • 洗濯は家族のものと一緒に洗ってもかまいません。
  • 陰部に発症したときには排尿に気を付けましょう。とくに子供は痛みのためおしっこを我慢しているうちに出にくくなるため注意が必要です。

治療方法

抗ウイルス薬による薬物治療が行われます。皮疹が現れたら、できるだけ早く抗ウイルス薬を服用し、症状の緩和や合併症の軽減を目指すことが大切です。皮疹出現から3日以内に治療を開始するのが理想です。抗ウィルス薬には現在以下の3種類がよく使用されます。

・バラシクロビル
・ファムシクロビル
・アメナメビル

その他皮膚の炎症を抑える「消炎鎮痛薬」や、痛みを抑制する「抗てんかん薬」
「オピオイド」などを使用します。

帯状疱疹の発症率は年々増加傾向となっています。それには水ぼうそうワクチンの定期接種が始まったことが関係しているといわれています。
これは帯状疱疹の発症を予防するためには、水ぼうそうのウイルスに触れて「ブースター効果」を得たほうがよいことがわかっています。しかし定期接種により水ぼうそうを発症する子どもが減少したためそのブースター効果を得る機会が少なくなったためと考えられています。
帯状疱疹は、50歳以上であればワクチン接種によって予防することができます。基本的にはワクチンの接種費用は全額自己負担ですが、自治体によっては補助金を出しているところもあります。
当院にても行っていますのでご相談ください。