熱傷とは

皮膚組織が熱をうけて損傷する病気です。熱傷の原因は、熱湯や蒸気、火などがありますが、湯たんぽや使い捨てカイロのように高温でなくても長時間皮膚にあてておくことで、低温熱傷になることがあります。損傷の皮膚の深さにより次の4段階に分類されます。

  • Ⅰ度熱傷(表皮損傷):表皮だけが損傷を受けた状態で紅斑と浮腫がみられます。
  • 浅達性Ⅱ度熱傷(真皮浅層損傷):水疱ができますが、痕は残らずに治ります。
  • 深達性Ⅱ度熱傷(真皮深層損傷):治るまでに時間がかかり傷跡が残ります。
  • Ⅲ度熱傷(皮下熱傷):皮膚の全層が損傷するため、多くの場合、植皮などの手術治療が必要となります。

日本皮膚科学会Q&Aの『やけど』

病気の特徴

  • 臨床所見から4段階に深度を分類しています。
  • 深度により症状の経過や予後が異なっています。
  • 細菌などに感染すると、深度が増すことがあります。
  • 熱傷の範囲も重要です。
  • 重症度分類(熱傷の面積と深さで判定):重症の場合は全身管理が必要
    ・小児と高齢者:Ⅱ度で20%以上、Ⅲ度で5%以上で重症
    ・成人:Ⅱ度で30%以上、Ⅲ度で10%以上で重症

生活上の注意

  • やけどをした場合、患部の衣服はゆっくり脱ぎましょう。
  • やけどをした患部は、冷水で10分間冷やしましょう。
  • 保冷剤で冷やし続けるのも有効です。
  • 自己判断、自己治療は避けましょう。

治療

  • やけどの状況に応じた外用剤
  • 抗菌薬

やけどの深度は経過で変わることがあり状況の見極めには1~2週間は必要です。
たいしたことないと思っても思わぬ傷跡が残ってしまうことがありますので自己判断、自己治療は避けてしっかりと冷やしながら受診されることをおすすめします。